インナーユニットとは?役割や効果的なトレーニング方法を紹介!
「インナーユニットが何なのか素人の私にも分かるように説明してほしい。」
「インナーユニットを使えるようにしたいけど何をすればいいのか分からない。」
「トレーニングをしてるけど思うように鍛えられない。コツを教えてほしい。」
インナーユニットは「姿勢の保持・内臓の保護」に大きく関わっているとても重要な筋肉です。
お腹の奥深くにあり意識して使う機会が少ないため、加齢とともに衰えやすい傾向にあります。また、腕や脚の筋肉と違い目で確認することができないため、鍛えにくい筋肉です。
実際に、思うように鍛えられず途中で鍛えるのを諦める方が多いようです。
そこでこの記事では、4つのステップに分けてインナーユニットを使えるようにするトレーニング方法を紹介します。
手順を踏んで諦めずに繰り返し行えば、インナーユニットは使えるようになります。
私のパーソナルレッスを受講されているお客様も、最初は苦戦される方が多いですが、繰り返し行うことで徐々に意識して使えるようになります。
とにかく諦めずに行うことが大切です。
記事の内容
インナーユニットとは?
インナーユニットとは、お腹の奥深くにある4つの筋肉、
- 横隔膜 = おうかくまく
- 腹横筋 = ふくおうきん
- 多裂筋 = たれつきん
- 骨盤底筋群 = こつばんていきんぐん
のことを言います。
この4つの筋肉は、内臓(消化器系・泌尿器系の臓器)などが詰まっている「腹腔 = ふくくう」を覆っています。
インナーユニットの主な役割は「カラダを安定させて姿勢を保つ」「内臓を正しい位置に保持する」ことです。
そのため、インナーユニットが引き締まらずにゆるんだ(使えていない)状態だと、役割を果たせずに、
- カラダが不安定になり「姿勢が崩れる・腰痛・股関節痛」
- 内臓が下垂し、血管や臓器が圧迫され血液の流れや内臓機能が低下し「冷え性・むくみ・下痢・便秘・激しい生理痛・尿漏れ」
などの原因になります。
実際にインナーユニットがしっかり使えていなくて、上記のようなことで悩んでいる方は多くいらっしゃいます。
ですから、この機会にインナーユニットをしっかり使えるようにして、上記のような症状の改善・予防につなげていただければと思います。
インナーユニットを使えるようにする呼吸法の紹介
ここでは、椅子に座った状態でインナーユニットを使えるようにする呼吸法を4つのステップで紹介します。
まずは、ここで紹介するトレーニングを行っていただきインナーユニットを使えるようにすることが「姿勢の改善・腰痛・冷え性・むくみ・尿漏れ・肌荒れ」などの症状を改善させるための一歩になります。
最初はなかなか感覚がつかめず、しっかりできているか疑問に思うかもしれませんが、繰り返し行うことで徐々に感覚がつかめてくるはずです。諦めずに続けてください。
ステップ1「お腹と胸を動かす呼吸法」
ここでは、お腹と胸を使って深い呼吸を行い「腹横筋 = ふくおうきん」「多裂筋 = たれつきん」「横膈膜 = おうかくまく」を使えるようにしていきます。
まずはこの呼吸法を習得してください。
イスに浅く座り → 骨盤をキレイに立てて → 背筋を伸ばし → 肩の力を抜き →「鼻から息をたっぷり吸いながら、お腹と胸を膨らませる。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「口から息を吐きながら、お腹を凹ませる。この動作を3秒〜7秒かけて行う。」 これを5〜15回おこなう。
※背もたれには寄りかからないようにする。
※鼻から息をたっぷり吸って、しっかり最後まで息を吐ききることが大切です。
イメージとしては、息を吸う時は横膈膜が下がり、腹横筋と多裂筋は緩んでいる状態です(内圧が低い状態)。そして、息を吐く時は横膈膜が上がり、腹横筋と多裂筋が締まります。(内圧が高い状態)
うまく息が吸えない方は「胸(胸郭 = きょうかく)」まわりの筋肉の動きが悪くなっているせいで、胸が広がりにくくなっていることが考えられます。
そのような方は、胸郭まわりの筋肉が柔らかくなると息が吸いやすくなりますので、胸郭まわりの筋肉を柔らかくするストレッチがオススメです。
記事の後半で胸郭まわりのストレッチ方法について紹介していますのでそ、ぜひご覧ください。
ステップ2「背中とお腹と胸を動かす呼吸法」
ここでは、ステップ1で行った方法にプラスして、背中の動きを加えます。そうすることにより、インナーユニットが働きやすい姿勢を維持できるようになります。
イスに浅く座り → 骨盤をキレイに立てて → 背筋を伸ばし → 肩の力を抜き →「鼻から息をたっぷり吸いながら、両腕を広げてお腹と胸を膨らませて、腰を大きく反らせる。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「口から息を吐きながら、両腕を前方へ伸ばして、骨盤を後傾させて背中を丸める。この動作を3秒〜7秒かけて行う。」これを5〜15回おこなう。
※背もたれには寄りかからないようにする。
※息を吸いながら天井を向きアゴを少し上げて、両腕を広げると同時に胸を広げる。
※鼻から息をたっぷり吸って、しっかり最後まで息を吐ききることが大切です。
イメージとしては、息を吸う時は横膈膜が下がり、腹横筋と多裂筋は緩んでいる状態です(内圧が低い状態)。そして、息を吐く時は横膈膜が上がり、腹横筋と多裂筋が締まります。(内圧が高い状態)
うまく息が吸えない方は「胸(胸郭 = きょうかく)」まわりの筋肉の動きが悪くなっているせいで、胸が広がりにくくなっていることが考えられます。
そのような方は、胸郭まわりの筋肉が柔らかくなると息が吸いやすくなりますので、胸郭まわりの筋肉を柔らかくするストレッチがオススメです。
記事の後半で胸郭まわりのストレッチ方法について紹介していますのでそ、ぜひご覧ください。
ステップ3「お腹に力を入れて胸を動かす呼吸法」
ここでは、腹横筋と横膈膜を別々に動かせるようにするために、腹横筋を引き締めた状態で、横隔膜だけを動かす呼吸法を行います。腹横筋を引き締めたまま呼吸することで、体幹が安定したまま呼吸をすることができます。ですから、腹横筋から力が抜けないようにすることが大切です。
※1と2の呼吸法ができるようになってから行ったほうが効果があります。
イスに浅く座り → 骨盤をキレイに立てて → 背筋を伸ばし → 両手で骨盤をつかみ → 肩の力を抜き → 腹横筋を使ってお腹を引き締めたまま「鼻からたっぷり息を吸いながら、胸を膨らませる。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「口から息を吐きながら、胸を元に戻す。この動作を3秒〜7秒かけて行う。」これを5〜15回おこなう。
※背もたれには寄りかからないようにする。
※腰が動かないように両手で固定する。
※肋骨が膨らんでいくのを感じながら息を吸う。
※腹横筋の力が抜けないように静かに息を吐ききる。
イメージとしては、腹横筋を常に締めた状態で、息を吸う時に横膈膜が下がり息を吐く時に横膈膜が上がります。(内圧が高い状態をキープしたまま胸だけで呼吸を行う)
ステップ4「お腹と肛門(膣)に力を入れて胸を動かす呼吸法」
ここでは、ステップ3で行った方法にプラスして、インナーユニットの底にある筋肉「骨盤底筋群 = こつばんていきんぐん」の動きを加えます。そうすることでインナーユニットが全て使える状態になります。ここが最も難しい部位になりますので、繰り返し行うことが大切です。
骨盤底筋群を動かすイメージは、おしっこを我慢している時の感覚で肛門(膣)を締めるような動きを行います。最初は慣れないと思いますが、繰り返し行うことで感覚がつかめてきます。
イスに浅く座り → 骨盤をキレイに立てて → 背筋を伸ばし → 両手で骨盤をつかみ → 肩の力を抜き → 腹横筋を使ってお腹を引き締めたまま「鼻からたっぷり息を吸いながら、胸を膨らませて、肛門(膣)を楽にする。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「口から息を吐きながら、胸を元に戻し、肛門(膣)に力をいれる。この動作を3秒〜7秒かけて行う。」これを5〜15回おこなう。
※おしっこを我慢している時の感覚で肛門(膣)を締めるようなイメージで行う。
※お尻や太ももに力が入らないように注意する。
※腰が動かないように両手で固定する。
※肋骨が膨らんでいくのを感じながら息を吸う。
※腹横筋の力が抜けないように静かに息を吐ききる。
イメージとしては、腹横筋を常に締めた状態で、息を吸う時は横膈膜が下がり骨盤底筋群は緩んで、息を吐く時に横膈膜が上がり骨盤底筋群を締めます。(内圧が最も高い状態)
以上で「インナーユニットのトレーニング方法の紹介」は終わりです。
最初はなかなか感覚をつかむのに時間がかかると思いますが、繰り返す行うことで感覚がつかめてきますので、諦めずに行ってみてください。できる限り毎日続けると感覚がつかみやすくなります。
そして、この記事で紹介したトレーニング(椅子に座った状態でインナーユニットが使えるようにするトレーニング)ができるようになりましたら、
次は「様々なポーズをとって、どのような状態でもインナーユニットが使える」ようにしていきます。椅子に座った状態でインナーユニットが使えても、仰向けや四つん這いになるとインナーユニットが使えなくなる方は多いです。
姿勢の改善・腰痛・冷え性・むくみ・尿漏れ・肌荒れなどを改善したい方にとっては大切なトレーニングです。
下記の記事でその方法について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
また当サイトでは「ひめトレ」というエクササイズ道具を使って、骨盤底筋群を意識しやすくする方法についても紹介しています。
ここで紹介したインナーユニットのトレーニング方法を何度行っても効果が得られない方にオススメです。道具に頼らずにインナーユニットが使えるようになればそれが一番いいのですが、なかなか難しい方は道具を使ってトレーニングを行うことをオススメします。
下記の記事で「ひめトレの効果」や「ひめトレの使い方」について詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。
胸郭を柔らかくするストレッチ
ここでは、先ほど紹介した「インナーユニットを使えるようにする呼吸法」のトレーニングの際に、うまく息が吸えないと感じた方へ「胸郭を柔らかくするストレッチ」の方法を紹介します。
うまく息が吸えない原因の1つとして、胸(胸郭 = きょうかく)まわりの筋肉の動きが悪くなっているせいで、胸が広がりにくくなっていることが考えられます。ですから、胸郭を柔らかくするストレッチを行い、胸郭まわりの筋肉を柔らかくしていきます。
このストレッチは3ステップあり、ステップが上がるにつれて動きが大きくなります。
効果的にストレッチを行うためにストレッチ中は呼吸を止めないようにしてください。
また、ストレッチを始める前にカラダを前倒したり横に傾けたり反ったりして、今の胸郭の状態を覚えておくとストレッチ後に効果があらわれたのか分かりやすくなります。
※秒数や回数はご自身の体調に合わせて調整してください。
ステップ1「横向きで腕を広げる胸郭のストレッチ」
右向きに寝て → 両腕を揃えて伸ばし肩の高さにして → 両脚を揃えて膝を曲げて、息を吸い →「口から息を吐きながら、胸まわりの筋肉が伸びるように、右腕を後方へ大きく広げる。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「広げた腕を元のいちに戻す。この動作を3秒〜7秒かけて行う」これを3〜5往復おこなう。
※背筋を伸ばす。
※腕を「広げる・閉じる」時に視線は指先を追うようにする。
ステップ2「正座で手を耳につけてひじを広げる胸郭のストレッチ」
正座をして → 右手を右耳の後ろあたりにあてて → 左手を床につきカラダを少し前傾させて、息を吸い →「口から息を吐きながら、胸まわりの筋肉が伸びるように、右ひじを大きく広げる。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「広げたひじを元のいちに戻す。この動作を3秒〜7秒かけて行う」これを3〜5往復おこなう。
※背筋を伸ばす。
※腕を「広げる・閉じる」時に頭も一緒に動かす。
ステップ3「四つんばいで腕を広げる胸郭のストレッチ」
四つんばいになり → 右手を右耳の後ろあたりにあてて → 左手を床につきカラダを支えて、息を吸い →「口から息を吐きながら、胸まわりの筋肉が伸びるように、右腕を大きく広げて、指先を天井へ向ける。この動作を3秒〜7秒かけて行い」→「広げた腕を元のいちに戻す。この動作を3秒〜7秒かけて行う。」これを3〜5往復おこなう。
※腕を「広げる・閉じる」時に視線は指先を追うようにする。
以上で「胸郭のストレッチ方法の紹介」は終わりです。
胸郭まわりの筋肉を動かすことで胸が広がりやすくなり、深い呼吸が行えるようになりますので、ぜひ実践してみてください。
このストレッチを習慣化しているのになかなか深い呼吸が行えない方は「ストレッチポール」がオススメです。
ストレッチポールに仰向けに乗ると、胸郭まわりの筋肉が緩みやすくなり呼吸がしやすくなる効果が期待できます。また「姿勢の改善」「腕や脚が動かしやすくなる」「寝付きが良くなる」などの効果も期待できます。
下記の記事でストレッチポールの「効果・メリット・デメリット・口コミ」などについて詳しく紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
インナーユニットは4つの筋肉「横隔膜 = おうかくまく」「腹横筋 = ふくおうきん」「多裂筋群 = たれつきん」「骨盤底筋群 = こつばんていきんぐん」で構成されており「カラダを安定させて姿勢を保つ」「内臓を正しい位置に保持する」などの役割を持っています。
そのため、インナーユニットがしっかり使えないと「姿勢が崩れる」「血液の流れが悪くなる」「内臓機能が低下する」などを起こし「腰痛・冷え性・むくみ」などの原因になります。
ですから、インナーユニットが使えていないと実感している方や、上記のような症状でお悩みの方などは、この機会にインナーユニットのトレーニングを行うことをオススメします。
最初はなかなか感覚をつかむのが難しいと思いますが、繰り返し続けることで徐々に感覚がつかめてきますので、諦めずに続けてみてください。